看護師のキャリアプラン:あなたの未来を描く道しるべ
- 監修者:ラシク 医療転職コンサルタント
もくじ
なぜ今、看護師のキャリアプランが重要なの?
看護の世界は日々進化しています。新しい医療技術、変わりゆく患者さんのニーズ、そして働き方改革。こんな時代だからこそ、自分の未来は自分で描く必要があるんです。
最近の統計を見ると、看護師の離職率は常勤看護師で10.7%(2019年度)、専門・認定看護師は増加傾向にあり、看護師の平均年齢も41.8歳(2018年)と上昇しています。これらの数字が示すように、看護師のキャリアは多様化し、長期化しているんです。
私事ですが、新人の頃は目の前の仕事をこなすのに精一杯で、将来のことなんて考える余裕もありませんでした。でも、ある先輩看護師から「あなたはこの先どんな看護師になりたいの?」と聞かれて、はっとしたんです。そこから少しずつ、自分のキャリアについて考えるようになりました。
キャリアプランって、具体的に何?
看護師のキャリアプランとは、簡単に言えば「これからどんな看護師になりたいか」「そのためには何をすべきか」を考え、計画することです。例えば、「5年後には専門看護師の資格を取得したい」とか「10年後には看護師長として病棟を率いたい」といった具体的な目標とそれに向けた行動計画のことですね。
キャリアプランを考えるメリット
キャリアプランを立てると、こんないいことがあります。
- 1.自分の課題や目指すべき方向性が明確になる
- 2.今の仕事へのモチベーションが上がる
- 3.転職時の判断材料になる
- 4.ストレス耐性が高まる
- 5.ワークライフバランスの改善につながる
例えば、緩和ケアに興味がある方なら、「認定看護師の資格を取るために、まずは関連の研修に参加しよう」といった具体的な行動に結びつきます。
また、「今の経験が将来こんな風に活きるんだ」と分かれば、日々の業務にも新たな意味を見出せるはずです。
看護師のキャリアプランの立て方
では、実際にキャリアプランを立てるにはどうすればいいのでしょうか。ステップを追って考えていきましょう。
1. 自己分析
まずは、これまでの自分の経験を振り返ってみましょう。どんな患者さんのケアが印象に残っていますか?どんな時にやりがいを感じましたか?逆に、苦手だと感じたことは何でしょうか?
2. 価値観の明確化
次に、今の自分の価値観や希望を見つめ直します。患者さんとじっくり関わりたい?それとも、最先端の医療に携わりたい?家庭との両立を重視したい?自分の本当の気持ちに耳を傾けてみてください。
3. 将来のビジョン作成
そして、将来のビジョンを描きます。「10年後、どんな看護師になっていたい?」と自問自答してみてください。専門看護師?看護管理者?それとも、地域医療のスペシャリスト?夢は大きく持っていいんです。
4. ギャップ分析と目標設定
最後に、そのビジョンと今の自分とのギャップを埋めるための具体的な目標を立てます。例えば、「3年後までに認定看護師の資格を取得する」「5年以内に看護師長になるためのマネジメントスキルを身につける」といった具体的な目標です。
年代別のキャリアプランのポイント
キャリアプランは年代によっても少し変わってきます。それぞれの年代の特徴を見ていきましょう。
20代:可能性を探る時期
20代の看護師さんは、可能性が無限大です。いろんなことに挑戦して、自分の適性を見極めていく時期です。私も20代の頃は、救急、小児科、緩和ケアと、様々な部署を経験しました。その中で、自分が本当にやりたい看護の方向性が見えてきたんです。
30代:専門性を深める時期
30代になると、ある程度専門性が固まってくる時期です。「スペシャリストとして極めるか、ゼネラリストとして幅広く活躍するか」といった選択をする人も多いですね。この頃、私は緩和ケアの道を選び、認定看護師を目指すことを決めました。
40代以降:経験を活かす時期
40代以降は、自分の専門性を活かしつつ、後輩の育成にも力を入れる時期です。管理職を目指すのか、それともエキスパートとしてさらに専門性を高めるのか、大きな選択の時期でもあります。
ただし、これはあくまで一般的な例です。看護師の素晴らしいところは、年齢に関係なく新しいことにチャレンジできること。40代で新たな分野に挑戦する人もいれば、20代でいきなり専門性を極める人もいます。大切なのは、自分らしいペースで進んでいくことです。
キャリアプランは柔軟に見直そう
最後に覚えておいてほしいのは、キャリアプランは一度立てたら終わり、ではないということ。人生の中で価値観が変わることは当然あります。例えば、結婚や出産をきっかけに、働き方を見直すこともあるでしょう。あるいは、思わぬ出会いから新しい看護の道に興味を持つかもしれません。
私自身、当初は救急看護のスペシャリストを目指していましたが、ある患者さんとの出会いをきっかけに緩和ケアに興味を持ち、キャリアの方向性を変更しました。その時々の自分の気持ちに正直に、柔軟にプランを見直していくことが大切です。
定期的に、例えば半年に1回くらいのペースで、自分のキャリアプランを見直す時間を作ってみてはいかがでしょうか。その時々の自分の気持ちや状況に合わせて、少しずつ調整していけばいいんです。
さあ、あなたの看護師キャリアプランを描いてみよう
いかがでしたか?看護師のキャリアプラン、考えてみると楽しいものです。自分の未来を想像し、それに向かって一歩一歩進んでいく。そんな主体的な看護師人生を歩んでいけたら素敵ですよね。
もちろん、すぐに完璧なプランが立てられるわけではありません。少しずつ、試行錯誤しながら作り上げていけばいいんです。大切なのは、自分自身と向き合い、「どんな看護師になりたいか」を考え続けること。
看護師として歩む道は人それぞれ。でも、どの道を選んでも、患者さんの笑顔のために頑張る気持ちは同じはず。あなたらしい素敵なキャリアプランを、ぜひ見つけてくださいね。
最後に、こんな言葉を贈りたいと思います。「あなたの情熱と志が、患者さんの人生を、そしてあなた自身の人生を、より豊かなものにしていきますように。」
さあ、今日から少しずつ、あなたの理想の看護師像に向かって歩み始めてみませんか?きっと素敵な未来が待っていますよ。頑張ってくださいね!