看護師
看護師に向いている人と向いていない人は?それぞれの特徴を解説!
- 監修者:ラシク 医療転職コンサルタント
医療現場を支える看護師は重要な仕事ですが、人によって向き・不向きがあるとも言われています。現在看護師として働いている方のなかでも、以下のような悩みや疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
- 患者や医師、他の看護スタッフと会話をするのが苦手
- 看護師の仕事は嫌いではないけど、夜勤で生活リズムが崩れるのがつらい
そこで本記事では、看護師に向いている人と向いていない人の特徴をそれぞれ解説していきます。
もくじ
看護師に向いている人
はじめに、看護師に向いている人の特徴について解説します。主な特徴は以下のとおりです。
- 体力面に不安がない人
- 周囲の異変や違和感に気がつきやすい人
- 他人の話をよく聞ける人
- チームのなかで協調しながら働ける人
- 最新の医療知識などを継続的に学んでいける人
- 突発的な事態にも柔軟に対応できる人
- 最後まで責任を持ってやり遂げるタフさがある人
体力面に不安がない人
看護師は、日勤・夜勤のシフト対応や急患対応などもあり、体力が必要とされる仕事です。そのため、体力面に不安がない人は、医療現場のなかで活躍しやすい人だといえるでしょう。医療現場で看護を行ううえでは、技術面や精神面も重要ですが、まずは土台となる体力が大事な要素となります。
周囲の異変や違和感に気がつきやすい人
周囲の異変や違和感に気がつきやすい人も、看護師に向いています。医療現場では、患者と接するなかで日々のささいな変化や違和感に気づき、症状悪化を予防していくことが大切です。普段との違いにすぐに気づける人は、看護師としての適性があるといえます。
また、高齢者や持病を抱える患者のなかには、自分自身の状況をうまく自分の言葉で説明できない方もいます。そのような状況でも、変化に気づきやすい人であれば相手の動作や表情などから気持ちを察して適切な対処を行えるでしょう。
他人の話をよく聞ける人
看護師は、患者や他の医療スタッフと日常的にコミュニケーションを取るため、相手の話をよく聞ける人も向いています。たとえば、入院患者とのささいな日常会話や雑談でも相手の話に耳を傾け、しっかりとコミュニケーションを取ることで信頼関係を築くことが可能です。
チームのなかで協調しながら働ける人
看護師は医療チームの一員であり、医師や他の看護師たちと協力しながら働くことになるため、協調性のある人も向いています。職場のなかで周囲と連携しながら、常に最善な行動を考えていく姿勢が求められます。
最新の医療知識などを継続的に学んでいける人
継続的な学習意欲のある人も看護師の適性があります。あらゆる業界・職種にいえることですが、医療分野においても医療の知識や技術は時代とともに進化しています。従来の医療が今後もベストであるとは限らないため、患者にとって常により良い医療を提供できるよう学び続けていく姿勢が重要です。
突発的な事態にも柔軟に対応できる人
医療現場では想定外の事態も生じるため、状況に応じて臨機応変に対応できる人も看護師に適しています。たとえば、患者の容体が急変した際に、自分で対処できることと周囲の応援が必要なことを瞬時に判断し、その場に応じた柔軟な対応を取ることが求められます。
最後まで責任を持ってやり遂げるタフさがある人
看護師は患者の命を預かる医療現場の一員であるため、責任感を持って仕事に従事できる人が向いています。中途半端な状態にせず、常に注意を払いながら「ミスはないか」「これで万全か」といった確認を行うことが重要です。
また、医療従事者としての責任感を持ち、患者やご家族と関わる際の振る舞いや言葉遣いのひとつひとつにも気を配る姿勢も大事なポイントとなるでしょう。
看護師に向いていないと感じやすい人の特徴
一方で、看護師に向いていないと感じやすい人の特徴には、以下のようなものが挙げられます。
- 気持ちの切り替えが苦手で、ひとつの失敗や悩みを引きずってしまう人
- 患者や周囲のスタッフに関心を持てない人
- 手先が不器用な人
- 排泄ケアに極端に苦手意識を持っている人
- チームワークが苦手で、ひとりで黙々と仕事をしたい人
- 医療従事者としての責任感を持てない人
- 学習意欲が低い人
- 生活リズムを安定させることを重視したい人
気持ちの切り替えが苦手で、ひとつの失敗や悩みを引きずってしまう人
気持ちの切り替えがうまくできず、同じ失敗や悩みをずっと引きずってしまう人は、看護師として働くことに辛さを感じやすいといえます。医療現場は常に状況が変わっていくため、過去の失敗にとらわれていると適切な処置に支障が出る可能性があります。
ミスを予防することは大前提ですが、仮にミスをしてしまったとしても「次にミスをしないためにはどうしたらよいか」という前向きな姿勢で改善していくことが重要です。
患者や周囲のスタッフに関心を持てない人
患者や周囲のスタッフに関心を持てないという人も、看護師に向いていないと感じやすくなります。看護師は、自分ひとりで絵画やイラストを創作するクリエイターなどの職種とは異なり、多くの患者や医療スタッフとコミュニケーションを取りながら働く仕事です。
プライベートの時間まで交流する必要はありませんが、勤務時間中において「患者や他のスタッフの話に全く関心を持てない」という人は、看護師には不向きな可能性があります。
手先が不器用な人
看護師は、採血や点滴、導尿といった手先を使う仕事もあるため、手先が不器用な人も看護師として苦労しやすいといえます。ただし、採血や点滴などは、単に処置の経験が少ないから苦手なだけという場合もあります。
手先が不器用だと思っている人は、ある程度習得に時間がかかることを覚悟したうえで、経験によってカバーできるか試してみるとよいでしょう。
排泄ケアに極端に苦手意識を持っている人
看護師は、患者の排便や嘔吐物などに触れる機会も多く出てくる職業です。他人の排便や嘔吐物に抵抗を感じることは不自然ではありませんが、数年間勤務しても強い抵抗感が拭えない人は、看護師の適性がない可能性があります。
排泄ケア時に嫌悪感が表情やしぐさに出てしまうほど抵抗感が強い人は、嫌悪感が患者に伝わってしまうおそれがあるため注意が必要です。
チームワークが苦手で、ひとりで黙々と仕事をしたい人
チームワークが苦手で、ひとりで黙々と仕事をしたいという人にとっても、医療現場での仕事は苦痛に感じる傾向があるといえます。病院や診療所で働く場合は、多くの患者や医療スタッフがいるため、どうしてもチームワークが必要となってきます。
「ひとりで作業に集中したい」と感じる人は、医療現場ではない場所での働き方を模索してみるのもひとつの手段です。
医療従事者としての責任感を持てない人
看護師は、医療従事者としてのプロであるため、自分の仕事に責任感を持てない人は看護師に不向きであるといえます。もちろん、医師や先輩看護師からの指示のもとで働くため、失敗した際の責任は本人だけでなく指導者にもあります。
ただし、その場合でも自分の行動の結果に対する責任を自覚し、適切に反省と改善を行うことが看護師として大切なポイントです。
学習意欲が低い人
医療分野の知識や技術は進化していくため、看護師においても常に学習を続けていくことが求められます。看護分野で必要な新しい知識や技術を学ぶ意欲が低い人は、看護師として活躍し続けることが難しくなってしまうでしょう。
毎日勉強する必要まではないかもしれませんが、看護の実践にあたって重要となる新しい知識や技術は定期的に取り入れていく姿勢が重要です。
生活リズムを安定させることを重視したい人
看護師は、日勤・夜勤のシフトや急患対応などがあるため、生活リズムが不安定になりやすい仕事です。そのため、生活リズムを安定させることを重視したい人にとっては、病院などでの勤務が苦痛に感じやすくなるでしょう。
ただ、同じ看護師の仕事でも職場によって勤務時間や内容は異なるため、看護師をしながらでも生活リズムを安定させることは可能です。
自分が向いていないと感じたらどうすれば良い?
ここまで読んで、「自分は看護師に向いていないかも」と感じた人もいるかもしれません。しかし、当てはまる項目があったからといって必ずしも不向きであるとは限りません。
たとえば、「内向的な性格なので大勢の人と関わるのが苦手」という人は、同じ看護師でも訪問看護ステーションなどで働く方法もあります。訪問看護ステーションなどであれば、大病院のように大人数と関わる機会はなく、訪問先でアットホームに看護を実施することが可能です。
また、「生活リズムを安定させたい」という人は、救急外来のないクリニックなどで勤務する方法もあります。すべての職場で夜勤や急患対応があるわけではないので、自分の希望する生活リズムを保ちながら看護師として働くことも可能です。
一方、「数年続けてみたけど、どうしても看護師の仕事に興味が持てない」という人は、無理して続けると心身の健康に支障をきたしてしまう可能性もあるため、休暇も視野に入れて今後のキャリアを今一度考えてみるのもよいでしょう。
大切なことは、向いている人・向いていない人の特徴はひとつの参考程度にとどめつつ、あなた自身の気持ちや置かれた環境に照らして考えてみることです。
まとめ:看護師に向いていないと感じても対処法はある
本コラムでは、看護師に向いている人と向いていない人の特徴について解説しました。患者の命を預かる医療現場で働く看護師は、体力や臨機応変な対応力、協調性、責任感が求められる仕事です。
体力面やチームワーク、柔軟な対応力などに不安を抱える人は、看護師に向いていないと感じる傾向にあるといえます。しかし、看護師に向いていないと感じる場合でも、職場や勤務形態を変えるなど、対処方法はあります。
したがって、自分が看護師に向いていないと感じる人は、自分がそう感じる理由を明確にしたうえで、まずは別の職場や勤務形態を探してみるとよいでしょう。