看護師3年目での転職:実態、メリット、デメリット、成功のコツを徹底解説
- 監修者:ラシク 医療転職コンサルタント
こんにちは、看護師の皆さん。今日は、看護師として3年目を迎えた方々に向けて、転職についてお話ししたいと思います。3年目というと、ようやく仕事に慣れてきた頃。でも同時に、「このまま続けていいのかな」「他の環境で働いてみたい」と悩み始める時期でもありますよね。
私自身、看護師として15年以上働いてきましたが、3年目での転職を経験しています。その経験を踏まえて、皆さんに役立つ情報をお伝えしたいと思います。
もくじ
看護師3年目で転職する人はどれくらいいるの?
実は、看護師の世界でも3年以内の離職は珍しくありません。厚生労働省の調査によると、医療・福祉分野では新卒入職者の約4割が3年以内に離職しているんです。これは全業種平均よりも高い数字なんですよ。
具体的には、以下のようなデータがあります。
- – 新卒看護師の1年目の離職率:7.8%
- – 新卒看護師の2年目までの累積離職率:12.2%
- – 新卒看護師の3年目までの累積離職率:15.9%
この数字を見ると、3年目までに約16%、つまり6人に1人の看護師が離職していることがわかります。
私の同期でも、3年目で転職した人が何人かいました。理由はさまざま。夜勤のきつさに耐えられなくなった人、別の診療科に興味を持った人、もっと専門性を高めたいと思った人など。みんな悩みながら決断していました。
ある友人は、「毎日の業務に追われて、自分のやりたい看護ができていない気がする」と悩んでいました。結局、その友人は在宅医療の分野に転職し、今ではやりがいを感じながら働いています。
看護師3年目で転職するメリット
では、3年目で転職するメリットってなんでしょうか?いくつか具体的に見ていきましょう。
1. まだ「若手」として扱ってもらえる
看護師として基本的なスキルは身についているけれど、まだまだ伸び代がある。そんな時期だからこそ、新しい環境でチャレンジしやすいんです。
例えば、私が3年目で転職した時、新しい職場では「若いうちにいろんな経験をさせてあげたい」と言ってもらえました。その結果、様々な症例に触れる機会を得られ、急成長できたんです。
2. ある程度の経験を持っている
3年もあれば、一通りの基本的な看護技術は身についているはず。新人のように一から教える必要がないので、転職先でも歓迎されやすいんです。
具体的には、以下のようなスキルが身についていることが期待されます。
- ・バイタルサインの測定と解釈
- ・基本的な投薬管理
- ・患者さんとのコミュニケーション
- ・基本的な医療機器の操作
- ・チーム医療の中での自分の役割理解
これらのスキルがあれば、新しい環境にもスムーズに適応できるでしょう。
3. 自分の適性がわかってきている
3年間働いてみて、「自分は急性期が向いている」「慢性期の方が合っている」といった感覚がつかめているはず。それを活かして転職先を選べるのは大きな利点です。
私の友人は、大学病院で3年働いた後、訪問看護ステーションに転職しました。「病院では患者さんとじっくり関われなかったけど、今はその時の経験を活かしながら、一人一人としっかり向き合える看護ができて幸せ」と言っていました。
4. キャリアアップのチャンス
3年目での転職は、自分のキャリアを大きく変える機会にもなります。例えば、
- ・より専門性の高い部署への移動
- ・マネジメントスキルを学べる環境への転職
- ・教育機関での勤務開始
など、様々な可能性が広がります。
看護師3年目で転職するデメリット
もちろん、デメリットもあります。しっかりと理解しておきましょう。
1. 専門性の面でまだまだこれから
たとえば、特定の疾患や治療に特化した部署では、3年目ではまだ十分な経験がないと判断される可能性があります。
ある先輩看護師は、「がん専門病院に転職しようとしたけど、がん看護の経験が足りないと言われてしまった」と話していました。専門性を重視する職場では、より長い経験が求められることもあるんです。
2. 給料面での不利
多くの病院では4年目から大きく昇給するケースが多いんです。3年目で転職すると、その機会を逃してしまう可能性があります。
具体的な数字で見てみましょう。ある調査によると、
- ・看護師3年目の平均年収:約400万円
- ・看護師4年目の平均年収:約450万円
このように、4年目で大きく昇給するチャンスを逃す可能性があるんです。
3. 人間関係を一から構築し直す必要がある
3年かけて築いた職場の人間関係をリセットして、また一からのスタート。これは結構大変なことです。
ある先輩看護師は、「3年目で転職して、最初は本当に苦労した。でも、前の職場での経験を活かしながら、少しずつ新しい環境に馴染んでいった。結果的には良かったけど、覚悟は必要だった」と教えてくれました。
4. キャリアの中断リスク
転職によって、それまで積み上げてきたキャリアが一時的に中断してしまうリスクもあります。特に、全く異なる分野に転職する場合は注意が必要です。
看護師3年目での転職を成功させるコツ
では、どうすれば転職を成功させられるでしょうか?具体的なステップを見ていきましょう。
1. 自分の転職理由とキャリアプランを明確にする
「なぜ転職したいのか」「これからどんな看護師になりたいのか」をしっかり考えましょう。漠然と「今の職場が嫌だから」では、転職しても同じ問題にぶつかる可能性が高いです。
具体的には、以下のような質問に答えてみてください。
- – 5年後、10年後の自分はどんな看護師になっていたいか?
- – どんな患者さんのケアに携わりたいか?
- – どんなスキルを身につけたいか?
- – 仕事とプライベートのバランスをどうしたいか?
これらの質問に答えることで、自分のキャリアプランが明確になるはずです。
2. 転職先の職場をよく研究する
その病院の特徴、看護体制、教育制度などをしっかり調べましょう。可能なら、実際にそこで働いている看護師さんの話を聞けるとベストです。
チェックポイントとしては:
- ・病院の理念や方針
- ・看護体制(チームナーシング,プライマリーナーシングなど)
- ・教育・研修制度
- ・キャリアアップの機会
- ・福利厚生
- ・勤務体制(夜勤の回数など)
これらの情報を集めることで、自分に合った職場かどうかを判断できます。
3. できれば今の職場を辞める前に次の職場を決める
看護師は需要が高い職業ですが、それでも無職の状態で焦って決めるのは避けたほうがいいでしょう。
在職中に転職活動をする際のポイントは:
- ・休日や有給休暇を利用して面接に行く
- ・現在の職場には,内定が決まってから報告する
- ・引き継ぎの期間を考慮して退職日を決める
4. 転職エージェントを活用する
看護師専門の転職エージェントを利用すると、以下のようなメリットがあります。
- ・非公開求人の情報が得られる
- ・職場の雰囲気など,詳細な情報を教えてもらえる
- ・履歴書や面接の対策をサポートしてもらえる
- ・条件交渉を代行してもらえる
私の経験から言えば、転職を考え始めたら、まず信頼できる先輩や友人に相談することをおすすめします。客観的な意見をもらえるだけでなく、思わぬ情報が得られることもありますよ。
転職に踏み切る前に考えるべきこと
最後に、転職に踏み切る前に考えてほしいことがあります。
1. 本当に転職しないと解決しない問題なのか
たとえば、人間関係の問題なら、転職しても同じような問題に直面する可能性があります。今の職場で解決できる方法はないか、もう一度よく考えてみましょう。
具体的なアプローチとしては:
- ・上司や先輩に相談する
- ・院内の相談窓口を利用する
- ・スキルアップのための研修に参加する
- ・部署異動を申し出る
2. 「理想の職場」を求めすぎない
どんな職場にも良い点、悪い点があります。大切なのは、自分にとって最も重要な条件は何かを明確にすること。その上で、ある程度の妥協点を見つけることも必要です。
ある看護師さんは、「転職する前に、今の職場の上司に悩みを相談してみたの。そしたら思いがけず、自分に合った部署への異動を提案してくれて。結果的に転職せずに済んだわ」と話していました。転職以外の選択肢も、時には検討する価値があるかもしれません。
まとめ:あなたらしい選択を
看護師3年目での転職、いかがでしたか?メリットもデメリットもあり、簡単な決断ではないですよね。でも、しっかり考えて決めた転職なら、きっと素晴らしい経験になるはずです。
大切なのは、自分自身としっかり向き合うこと。「なぜ転職したいのか」「これからどんな看護師になりたいのか」。その答えが見つかれば、きっと正しい選択ができるはずです。
看護師としてのキャリアは長い。3年目での選択が、その後の人生を大きく左右するかもしれません。だからこそ、焦らず、でもしっかりと前を向いて考えていきましょう。
最後に、こんな言葉を贈りたいと思います。「あなたの選択が、あなたらしい看護を実現する第一歩になりますように。」
皆さんのこれからの看護師人生が、素晴らしいものになりますように。頑張ってくださいね!