看護師
看護師のストレス原因は?おすすめのストレス対処法も解説!
- 監修者:ラシク 医療転職コンサルタント
患者の生命や健康を預かる立場の看護師は、多くのストレスを抱えやすい職種であるといえます。現在看護師として働いている方のなかにも、「仕事のストレスが溜まってきているのでなんとかしたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで本コラムでは、看護師が感じやすいストレスの主な要因やおすすめのストレス対処法について解説していきます。
もくじ
看護師が感じやすいストレスの主な要因
はじめに、看護師が感じやすいストレスの主な要因について触れていきます。主な要因としては以下が挙げられます。
- 職場の人間関係がうまくいかない
- 仕事量が多い
- 仕事の責任が重い
- 不規則な勤務時間になっている
- 身体的な負担が大きい
- 給料が安いと感じる
職場の人間関係がうまくいかない
多くの看護師が感じやすいストレス要因は、職場の人間関係です。医療現場では、医師や患者、先輩看護師、後輩看護師などさまざまな関係者とコミュニケーションを取りながら業務を進めていく必要があります。
看護師の仕事は、以下の要素などが影響することから、コミュニケーションが難しい場面も多くなるでしょう。
- 患者の生命・健康を預かるため、プレッシャーの大きい仕事であること
- 女性が約9割の職種であるため、女性特有の人間関係の難しさがあること
- 慢性的な人手不足により、精神的な余裕がなくなってしまいがちなこと
多くの仕事において、ストレスの大部分は人間関係とも言われています。なかでも看護師は、上記の要因が絡むことでより一層人間関係の構築が難しい仕事だといえるかもしれません。
また、患者とのコミュニケーションがストレス要因となるケースもあります。日々の業務のなかで、患者からクレームや高圧的な態度を受けてストレスを感じた経験のある看護師も少なくないでしょう。
仕事量が多い
仕事量の多さもストレス要因となります。看護師の仕事は多岐にわたり、以下のような業務を定常的にこなす必要があります。
- 診察のサポート
- 患者の体位交換
- 点滴
- 投薬の管理
- 移送対応
- 手術サポート
- 日々のバイタルチェック、カルテ管理
- カンファレンスへの参加 など
上記に加えて、患者の容態が急変した際などは緊急対応が発生するため、休む暇もなく働いているという看護師もいるでしょう。
国内全体の傾向としても、看護師は人手不足が問題となっており、厚生労働省の調査によると100病床あたりの看護師の数は諸外国の約1/4となっています。
参考:厚生労働省「コメディカル不足に関して ~看護師の人数と教育~」
仕事の責任が重い
看護師は患者の生命や健康を預かる立場であるため、仕事の責任が重いことも大きなストレス要因となっています。「ミスが許されない」と考えることで、一つひとつの業務に対して強いプレッシャーを感じる看護師も少なくないでしょう。
看護師としての経験を積み、看護主任など責任のある立場になっていくことで、後輩看護師の指導・育成なども担うことになります。その結果、看護師の業務自体には次第に慣れていったとしても、指導責任などが加わるため責任やプレッシャーから解放されることはないといえるかもしれません。
不規則な勤務時間になっている
看護師として病院などで働く場合、24時間体制を構築するために夜勤を行う機会も多くなります。2シフト制や3シフト制で交代勤務となっている職場も多いため、どうしても勤務時間が不規則になり、それがストレス要因となってしまいます。
不規則な勤務時間によってストレスを溜めることで、睡眠不足や食生活の乱れ、肌荒れなど日常生活に支障が生じ、余計にストレスを感じる悪循環に陥ってしまうことも考えられます。
また、家族と同居している場合、家族と生活リズムを合わせることが難しくなる場合もあるでしょう。
身体的な負担が大きい
看護師は事務作業だけでなく、力作業もそれなりに多くあります。たとえば、患者の体位交換や移送を行う際は、身体的な負担も大きくなるでしょう。また、業務時間の多くは立ち仕事となるため、1日を通して疲れが溜まりやすい仕事であるといえます。
職場の人間関係や仕事の責任・プレッシャーなどの精神的なストレスに加えて、身体的な負担・ストレスもかかりやすいのが看護師の仕事です。
また、遠方から職場に通勤している看護師の場合は、業務中の負担に加えて通勤による身体的な負担も生じます。
給料が安いと感じる
忙しい割には給料が安いと感じる場合、それがストレス要因になっている看護師もいます。看護師の給料は、一般的な女性会社員の平均収入と比べると高い傾向にあるため、給料自体は高水準であるといえます。
しかし、前述したような精神的・身体的な負担を加味すると、「大変な割には給料が少ない」と感じている看護師がいるのも事実です。
仕事量に合った対価が得られていないと考えることで、それが次第にストレスとして溜まっていってしまうでしょう。
看護師におすすめのストレス対処法
ここからは、看護師におすすめのストレス対処法を紹介していきます。以下の項目を参考にしながら、あなた自身に合ったストレス対処法を実践していきましょう。
- 十分な休息を取る
- 心を許せる家族や友人に話を聞いてもらう
- 適度な運動を行う
- カウンセリングを利用する
- どうしても合わない場合は職場を変える
十分な休息を取る
基本的かつ効果的なストレス対処法は、十分な休息を取ることです。シフト勤務の状況によっては難しい日もあるかもしれませんが、できるだけ7~8時間の睡眠を取るようにしましょう。
睡眠は肉体疲労の回復だけでなく、脳疲労や精神的なストレスの緩和にも効果があります。
また、勤務時間中も合間を見つけて5分程度の休憩を定期的に挟むことで、疲労の軽減やパフォーマンスの維持につながります。
心を許せる家族や友人に話を聞いてもらう
ストレスを発散するうえでは、心を許せる家族や友人に話を聞いてもらうことも効果的です。自分1人で考え込んでいると、心の中でストレスが次第に大きくなり、体調不良や病気の原因になる可能性もあります。
「話を聞いてもらえてスッキリした」という経験のある方も多いのではないでしょうか。愚痴を聞いてもらったり、話に共感してもらったりするだけでも、心の中にあるストレスやモヤモヤした気持ちを大きく解消できるでしょう。
適度な運動を行う
適度な運動を行うこともストレス対処法としておすすめです。運動して軽く汗を流すことで、ストレス発散効果やリフレッシュ効果が期待できます。
日頃の運動習慣がない方は、以下のような取り組みから実践してみるとよいでしょう。
- 休日は朝食後に15分程度の散歩をする
- 昼食後は5分程度のストレッチを行う
- 普段使っている駅・バス停よりも1つ先の駅・バス停まで歩く
ストレスを軽減するために過度な運動は必要ありません。軽く汗ばむ程度の運動で十分なリフレッシュ効果が得られるでしょう。
カウンセリングを利用する
身近に相談できる家族や友人がいない方は、カウンセリングサービスを利用する方法もあります。たとえば、厚生労働省は以下の相談先を紹介しています。
こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
電話相談「こころほっとライン」:働く人のメンタルヘルス不調や過重労働による健康障害に関する電話相談
こころの情報サイト:厚生労働省が運営する心の健康や支援サービスに関する情報サイト
また、カウンセリングを利用する前に自分自身のストレス状態をチェックしたい方は、日本看護協会が掲載しているストレスのセルフチェックリストを活用してみるとよいでしょう。
どうしても合わない場合は職場を変える
これまで挙げたようなストレス対処法を実践しても、どうしてもストレス要因がなくならない方もなかにはいるでしょう。その場合は、ストレスの原因となっている今の職場から別の職場に変えてみることも有効な手段です。
同じ看護師でも職場によって業務内容や仕事量、勤務時間、人間関係などは異なるため、職場を変えることでストレス解消につながることもあります。
あなた自身が抱えているストレスが根本的な職場環境に起因している場合は、環境を変えることでストレスを大きく緩和できる可能性もあるでしょう。
まとめ:自分に合ったストレス対処法を見つけよう
本コラムでは、看護師が感じやすいストレスの主な要因やおすすめのストレス対処法について解説しました。看護師が感じやすいストレスの主な要因としては、人間関係や仕事の量・責任、不規則な勤務時間、身体的な負担などが挙げられます。
看護師として活き活きと働き続けるためには、自分自身が抱えているストレスに向き合い、適切なストレス対処法を実践していくことが重要です。現在の職場がどうしても合わずなかなかストレスを解消できない場合は、思い切って職場環境を変えてみることも有効な手段です。
あなた自身に合ったストレス対処法や職場環境を見つけ、看護師として長く活躍していきましょう。