看護師
看護師のやりがいとは?職場別のやりがい、やる気を高める方法も解説
- 監修者:ラシク 医療転職コンサルタント
人々の命や健康に深く関わる看護師は、やりがいの大きな仕事のひとつとして挙げられることが多い仕事です。しかし、現在看護師として働いている方のなかには、「看護師になってみたけど、あまりやりがいを感じられていない」という方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、看護師がやりがいを感じやすいおもな場面や職場別のやりがい、やりがいを感じられていない場合の対処方法について解説していきます。
もくじ
看護師がやりがいを感じやすいおもな場面
はじめに、看護師がやりがいを感じやすいおもな場面について解説します。やりがいを実感しやすい場面としては、以下のようなシーンが挙げられます。
- 患者やご家族から感謝の言葉をもらったとき
- 患者のことを誰よりも深く理解できていると実感したとき
- 周囲のスタッフとうまく協力しながら職務を遂行できたとき
- 患者の治療やリハビリが進み、快方に向かっていることを実感できたとき
- 自分自身の専門知識やスキルが高まっているのを実感できたとき
患者やご家族から感謝の言葉をもらったとき
看護師がやりがいを感じやすい代表的な場面として、患者やご家族から感謝の言葉をもらったときが挙げられます。診察や身の回りのケアを行ったとき、入院患者が退院するとき、通院患者が最後の通院を終えたときなど、患者やご家族から「ありがとうございました」と感謝の言葉をもらえる機会は多くあるでしょう。
看護師の仕事は患者の命や健康に密接に関わるため、常に高い集中力や慎重さが求められます。些細な様子の変化も察知する必要があるため、日々の職務で神経を使うことも多いでしょう。
その分、患者やご家族からもらう感謝の言葉には重みがあり、その感謝の言葉や笑顔で報われている看護師は多くいるのです。看護師は、さまざまな職種のなかでも特に人から感謝の言葉を伝えてもらえる仕事であるといえるでしょう。
患者のことを誰よりも深く理解できていると実感したとき
患者のことを誰よりも深く理解できていると実感したときも、やりがいを感じやすい瞬間です。入院患者の観察や身の回りのケアを日々担当している看護師は、病院内では他の誰よりもその患者のことを理解している存在です。
入院中は患者の家族以上に患者と顔を合わせ、会話をする機会が多いからこそ、患者の様子や異変を一番早く察知することができるでしょう。いち早く患者の異変に気づき、医師や他のスタッフに連携して容態の急変を防げたときなどは、看護師として深いやりがいを実感できるはずです。
また、そのように患者のことを深く理解し、信頼関係を築けている場合は、「○○さんに担当してもらえてよかった」と言ってもらえることもあるでしょう。1人の人生を救う経験を積めることは、看護師の大きなやりがいとなります。
周囲のスタッフとうまく協力しながら職務を遂行できたとき
周囲のスタッフとも連携しながら、患者に対して適切なケアを実践できたときもやりがいを感じやすい場面です。病院などの医療現場には、医師や他の看護師、管理栄養士、PT・OT、薬剤師といったさまざまな専門職種のメンバーがいます。
医療チームの1人として、看護師の立場で自分にできる職務を遂行していくことで、実践的な職務経験やスキルを積んでいくことができるでしょう。
自分1人だけでは救うことが難しい患者も、医療チームで一丸となって協力することで救えることを実感できるのが大きなやりがいにつながります。
患者の治療やリハビリが進み、快方に向かっていることを実感できたとき
やりがいを感じやすい場面には、患者の回復を見届けているときも挙げられます。入院直後の患者は、これまで当たり前のように出来ていた歩行や食事がうまく出来ず、精神的に落ち込んでしまう人も少なくありません。
そんなときでも看護師として患者の身の回りのケアや精神面のケアを行いながら、治療やリハビリをしていくなかで快方に向かっていくことを実感できたときは、大きなやりがいにつながるでしょう。
歩行や食事、入浴など、担当している患者のできることが日に日に増えていくと、看護師としても自分事のように嬉しい気持ちになるはずです。
自分自身の専門知識やスキルが高まっているのを実感できたとき
看護師は、医療現場の専門従事者として社会的に高い需要のある仕事です。少子高齢化によって労働人口が減少する日本国内においては、看護師は今後も高い需要が続くことが見込まれます。
看護師になるためには、国家資格の取得や専門知識の獲得、現場経験など、さまざまな努力が必要です。その分、社会に出てから活躍できるフィールドは広く、自分自身の健康面などに気をつければ一生涯活躍することも可能です。
育休や産休で一時的に離職した場合でも職場に復帰しやすく、プライベートでも健康上の知識を活用できるため、看護師の仕事にやりがいを感じている人は多くいます。
職場別の看護師のやりがい
ここでは、職場別の看護師のやりがいとして、以下の職場の看護師を例に解説していきます。
- 病棟看護師
- 救急外来看護師
- 手術室看護師
- 訪問看護師
病棟看護師
病院・病棟で働く看護師の場合は、入院患者が退院するときに大きなやりがいを感じやすいです。入院患者は、退院までに多くの回復期間やリハビリを必要とする人も少なくありません。患者の身の回りのケアを長期間にわたって担当することもあるでしょう。
多くの時間を患者とのコミュニケーションに使う分だけ、患者が退院した際の喜びも大きなものとなります。感謝の言葉をもらえる機会も多いため、やりがいを感じる瞬間も多くなるでしょう。
救急外来看護師
救急救命センターなどに勤務する救急外来看護師は、重症患者を担当する機会が多く、人の生死に密接に関わる立場です。迅速な判断・対応が求められるため、特に大きな責任を伴うポジションであるといえます。
大きなプレッシャーやストレスがかかりやすい立場ですが、その分、患者が一命を取り留めたときには、通常の看護業務では得られないような強いやりがいや達成感を感じられるでしょう。
手術室看護師
手術室看護師も、救急外来看護師と同様にプレッシャーや責任の大きい立場となります。担当医師をはじめ、多種多様なメディカルチームが集まり、専門チームの一員として患者の手術にあたります。
人の生死に深く関わるため、プレッシャーも大きくなりますが、その分やりがいや達成感も大きな職種であるといえます。
また、医療現場のなかでも特に緊迫感のある現場経験を積めるため、速いスピードで専門知識の獲得やスキルアップを実現しやすい点もやりがいとなるでしょう。
訪問看護師
訪問先に出向いて診察を行う訪問看護師は、1人の患者に深く向き合ってサポートしていくことにやりがいを感じやすい仕事です。
病院勤務の看護師などとは異なり、訪問看護師は担当する患者1人に対して多くの時間を使うことが特徴です。2~3年以上の長期間をかけて接する場合もあるでしょう。
1人の患者の人生に深くかかわり、長い期間をかけて患者やご家族への手厚いサポートを行いたい人にとってやりがいを感じやすいポジションです。
やりがいを感じられていない場合の対処方法
ここまで、看護師がやりがいを感じやすい場面について解説してきましたが、看護師のなかにはやりがいを実感できず悩んでいる方もいるでしょう。そこで、ここではやりがいを感じられていない場合の対処方法として、以下の点を解説します。
- 自分自身が看護師を目指した原点に立ち返る
- 自分自身の価値観や希望を明確化して、職場変更を検討する
自分自身が看護師を目指した原点に立ち返る
まず、あなた自身が現在看護師をしているということは、看護師を目指した原点があるはずです。看護師になるためには、専門知識の勉強や国家資格の取得など、多くの時間や努力が求められます。
多くの準備期間や努力を乗り越えて看護師になったのはなぜか?という点を、あらためて自分自身に問いかけてみましょう。もし当時の自分と現在の自分で考え方が変わっている場合は、どのような変化が生じているのかを具体的に書き出してみるのも効果的です。
自分自身の価値観や希望を明確化して、職場変更を検討する
原点に立ち返って自己分析することで、あなた自身の価値観や現在の希望がはっきりと見えてきます。たとえば、「看護師の仕事自体は嫌いではないけど、大人数の人と関わるのがどうしても苦手」といった思いを持つ方もいるでしょう。
あなた自身の価値観や希望を明確にした結果、今の職場が自分にマッチしていないと感じる場合は、別の職場環境に移ることも有効な手段のひとつです。たとえば、病棟看護師から訪問看護師になることで、アットホームな環境でやりがいを感じられる可能性もあるでしょう。
同じ看護師でも、職場によって働き方や仕事の進め方などは異なります。環境を変えることで、新たなやりがいが見つかることもあるのです。
まとめ:看護師のやりがいは職場を変えることで見つかる場合もある
本コラムでは、看護師がやりがいを感じやすいおもな場面や職場別のやりがい、やりがいを感じられていない場合の対処方法について解説しました。看護師は、患者やご家族から直接感謝の言葉をもらえる機会が多く、やりがいを感じやすい職業であるといえます。
一方で、看護師として働いている方のなかには、あまりやりがいを感じられていない方もいるかもしれません。その場合は、あなた自身の価値観や現在の希望を明確にしたうえで、自分に合った職場を探すことも有効な手段です。
看護師が活躍できる職場は幅広く、職場によって働き方や仕事の進め方などは異なります。現在やりがいを感じられていない方は、職場を変えることで新たなやりがいが見つかることもあるでしょう。