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転職の決断

女性のキャリアプランの実現方法は?考え方のポイントを解説

監修者:ラシク 医療転職コンサルタント

働き方改革の促進などを背景に、現代ではさまざまなキャリアの選択が可能になりました。女性の社会進出もますます顕著になっています。

一方で、女性のキャリアを考えるうえでは、出産や育児などのライフイベントの考慮が欠かせません。それらを踏まえてキャリアプランを立案していくことが重要です。

本記事では、女性が自分自身の理想とするキャリアプランを実現するための方法や考え方のポイントを解説します。

キャリアプランとは?

そもそもキャリアプランとはどのような意味合いを持つのでしょうか。一般的なキャリアプランの定義としては、「仕事における将来の目標を明確化し、それに向けて立案する具体的なキャリア計画」となります。

なお、キャリアプランを考えるうえでは、厚生労働省の「ジョブ・カード制度」も参考になるでしょう。「ジョブ・カード制度」は、キャリアプラン実現や職業能力証明のために厚生労働省が提供しているツールです。

出典:厚生労働省「ジョブ・カード制度」

女性のキャリアプランは計画するのが難しい

女性のキャリアプランは考えるのが難しいです。なぜなら、キャリアの途中で出産や育児などのライフイベントが入り、キャリアが中断するケースも多いためです。出産や育児は想定外のタイミングで発生することも少なくありません。

約半数の女性が出産後に離職している

内閣府男女共同参画局の調査(平成30年11月)によると、第1子出産を機に離職する女性の割合は46.9%です。つまり、約2人に1人の女性が第1子出産後に離職していることがわかります。

女性の社会進出が進む現代でも、やはり出産によってキャリアを中断する女性は依然として多いのが現状です。

出典:内閣府男女共同参画局「「第1子出産前後の女性の継続就業率」及び出産・育児と女性の就業状況について」

管理職に占める女性の割合はまだまだ低い

女性のキャリアを考えるうえで難しい点として、管理職に占める女性の割合の低さも挙げられます。

内閣府男女共同参画局の「男女共同参画白書 令和3年版」によると、民間企業の女性管理職の割合は、令和2年において係長級21.3%、課長級11.5%、部長級8.5%となっています。年々増加傾向にはありますが、依然として低いのが現状です。

また、女性管理者の割合を諸外国と比較すると、日本は最も低い水準となっています。

出典:内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書 令和3年版」

このことから、働く女性が管理職などの重要なポストに就くことはまだまだ難しいと言わざるを得ません。そして、その理由には出産や育児によるキャリアの中断の影響も少なくないでしょう。

女性の活躍を支援する取り組みは増えてきている

現状課題がある一方、出産や育児で離職を余儀なくされる女性のキャリアを支援するための環境が整ってきています。

たとえば、平成27年に厚生労働省による「女性活躍推進法」が成立しました。これにより、301人以上の従業員を持つ企業や自治体を対象に、女性の活躍に向けた現状課題や今後の行動計画を具体化する推進がされています。

さらに、令和4年度からは101人~300人規模の企業や自治体にも適用されたことで、より多くの職場で女性が活躍しやすい環境になっていくでしょう。

出典:厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」

キャリアプランを立てる際に重要となる考え方

今後のさらなる働き方改革や制度によって、女性が活躍しやすい環境がますます整備されていくことが想定されます。それにより、出産や育児などのライフイベント後でもキャリアを諦めなくてよい社会に変わっていくでしょう。

ここで重要なのは、「自分がどのように生きていきたいか?」です。キャリアは人生の一部であって、すべてではありません。さまざまな選択ができる時代になるからこそ、自分自身の根幹となる人生観や理想的なライフスタイルを具体化することが大切です。

そのうえで、自分にとってベストと思えるキャリアプランを考えていきましょう。

たとえば、職場の制度を最大限に活用しながら、仕事と家庭を両立してどんどんキャリアアップを目指したい方もいるでしょう。あるいは育児を優先し、時短勤務などの勤務体系に変えるほうが好ましい方もいるはずです。

キャリアプランに正解はありません。まずはあなた自身の理想のライフスタイルを描き、その目標に適した形のキャリアプランを立てていきましょう。

出産や育児と両立しながらキャリアを形成する方法

ここでは、出産や育児と両立しながらキャリアを形成していく方法を紹介します。

家族と話し合って、家事や育児の協力体制を築く

まずは家族と話し合うことが大切です。家事や育児を1人で抱えながら働くことは大変ですので、パートナーと分担して取り組む協力体制を築いていきましょう。

炊事や洗濯、掃除、子どもの送迎などに関して、内容や曜日などで担当を決めるのが効果的です。また、自分やパートナーの両親に子どもを見てもらえる場合は、ありがたく協力をお願いしたほうが賢明でしょう。

パートナーや両親以外にも、現在では便利なサービスが多数あります。たとえば、食器洗い乾燥機やロボット掃除機などの時短家電を活用し、家事の効率化を図るのも有効です。

職場の制度を利用して、時短勤務など勤務形態の変更を検討する

出産や育児などのライフイベントを考慮した勤務制度を定めている職場も少なくありません。たとえば、育児休暇、時短勤務制度、フレックスタイム制度などが代表例です。

長くキャリアを続けていくうえでは、これらの職場制度を活用していくことも効果的です。詳細な運用ルールなどは職場によって異なるため、職場に問い合わせるか、すでに育児休暇や時短勤務制度を利用した先輩に確認してみるとよいでしょう。

託児所や学童保育を活用する

パートナーや両親など身内の協力だけでは両立が難しい場合は、託児所や院内保育、学童保育を活用するのも手段の1つです。

たとえば院内保育では、病院内や病院周辺の託児所で子どもを預かってもらえます。職場のすぐ近くで保育をしてもらえることで、安心して働けるでしょう。子どもの送迎の負担も大きく減らせます。

また、子どもが小学校低学年などの場合は、学童保育を利用する方法もあります。利用要件や審査基準は運営主体によって異なるため、利用を検討する際は事前に確認しておきましょう。

身近な先輩や同僚、友人からアドバイスをもらう

職場の先輩や同僚、親しい友人などで出産・育児と仕事の両立をしている人がいる場合は、その方々に相談してみることもおすすめです。職場の制度を詳しく知れたり、家庭内の家事分担や生活上の工夫を知れたりするので、聞いてみて損はありません。

また、たとえば職場の先輩に相談をすることで、仕事と家庭の両立やキャリア形成について有益なアドバイスがもらえることもあるでしょう。相談を通じてロールモデルが見つかり、自分自身の進みたい方向性がより明確になることも期待できます。

クリニックや訪問看護など、育児との両立がしやすい環境へ移る

前述した家庭内協力や職場の制度活用、託児所・学童保育の利用によって、出産・育児と仕事の両立はある程度実現できるでしょう。しかし、職場や家庭の状況は人それぞれ異なるため、なかには依然として両立が難しいと感じる方もいるかと思います。

その場合は、職場の環境を変えることも検討してみてください。たとえば、看護師の方で夜勤があり子育てに影響をきたす場合は、夜勤のない勤務形態の職場に移ることも視野に入れてみましょう。

職場によっても多少異なりますが、クリニックや訪問看護、デイケアサービスなどは比較的育児との両立がしやすい職場環境であるといえます。

産休・育休期間を活用してキャリアに関連する資格を取得する

出産・育児と仕事の両立をより確かなものにするためには、自分自身のスキルを磨くことが近道です。そのために、産休・育休期間を活用して、キャリア形成につながる学習や資格取得に励むことが効果的です。

たとえば、これまでの職務での専門性を確立したい場合は、スペシャリスト資格の取得を目指すとよいでしょう。反対に、将来マネージャーとしてキャリアを伸ばしていきたい場合は、マネジメントを体系的に学ぶことも有効な手段です。

あるいは、心機一転してこれまでの職種とは全く異なる分野に挑戦してみる方法もあります。現在では在宅で働ける仕事も増えているので、在宅フリーランスのような働き方に変えていく選択肢もあるでしょう。

まとめ

多種多様な働き方が奨励されてきている現代では、幅広いキャリアの選択ができるようになりました。働く女性の活躍も今後さらに増えていくと考えられます。

しかしながら、女性には出産や育児など、昔も今も変わらないライフイベントが存在します。結婚や出産は自由に選べるため全員ではありませんが、出産や育児によってキャリアに悩みを抱える女性は少なくないでしょう。

女性がキャリア形成をするうえでは、出産や育児を踏まえてキャリアプランを立案していくことが大切です。そして、キャリアプランを考える前に「自分がどう生きていきたいか?」の人生プランを考えることが何より重要になります。

出産や育児と両立しながらキャリアを形成するには、職場や家庭、外部サービスなどからさまざまな協力を得ることが不可欠です。パートナーをはじめ各方面からの協力を得つつ、職場の制度を最大限に有効活用していきましょう。また、託児所・学童保育を利用したり、職場の先輩や友人に相談したりすることも効果的です。

加えて、今後のキャリアを有利に進めるためには、あなた自身の知識やスキルを磨いていくことも大事なポイントです。これまでの職務経験の棚卸しや補強のために、資格取得を目指すのもよいでしょう。また、キャリアの可能性を広げるために、新たな分野の学習を始めることも良い機会になるはずです。