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転職の決断

社会人3年目での転職は難しい? 実態やメリット、デメリット、成功のコツを解説

監修者:ラシク 医療転職コンサルタント

入社して3年目になると、現在の仕事への不満やモヤモヤした気持ちが出てくることもあるでしょう。「まだ3年目だし我慢して働いたほうが良いのかな」「転職しても不利になるのではないか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、医療業界や福祉業界に身を置く方を主な対象として、社会人3年目の転職の実態やメリット、デメリット、成功のコツ、注意点を解説します。

社会人3年目で転職する人はどれくらいいるのか?

「入社して3年間は頑張るべき」といった風潮もあるなか、一方で入社して3年内に退職している人が一定数いるのも事実です。実際にどれくらいの人が入社3年以内に退職しているのかについて見ていきましょう。

約3人に1人が入社してから3年内に退職している

厚生労働省の調査によると、令和2年度における就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者で36.9%、新規大卒就職者で31.2%となっています。つまり、約3人に1人が入社後3年以内に退職しているのです。

また、新規中卒就職者は55.0%、新規短大卒就職者は41.4%であり、さらに高い割合となっていることがわかります。

参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況を公表します」

特にサービス業界、医療・福祉業界、教育業界の離職率が高い

入社3年内の離職率を業界別に見ていくと、特に「サービス業(生活関連・小売など)」「医療・福祉」「教育」の業界において離職率が高くなっています。たとえば医療・福祉では、新規高卒就職者で46.2%、新規大卒就職者で38.6%であり、前述した全体平均よりも高い割合となります。

参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況を公表します」

社会人3年目で転職する3つのメリット

それでは、社会人3年目で転職するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、社会人3年目の転職メリットについて3つ紹介します。

1. 第二新卒の募集に応募できる選択肢がある

一般的に、第二新卒は入社3年目内、25歳以下という条件が設けられていることが多いです。そのため、入社3年目であればギリギリ第二新卒の募集に応募できることになります。「中途採用に応募するほどの知識やスキルは持っていないな・・・」と思っている方でも、第二新卒であれば転職のチャンスは大きく広がっているでしょう。

また、新卒採用のときは入社が難しかった職場でも、第二新卒の募集枠であればタイミング次第で比較的容易に入社できる可能性もあります。

2. 基本的なスキルを備えているため評価されやすい

入社3年目は、社会全体で見たら若手の部類には入るものの、基本的な職業スキルは備えています。たとえば看護師の場合においても、3年働けば一通りの技能・知識は保有していると判断できるでしょう。

多くの職場においては、入社1年目と2年目をトレーニング期間として、実際の業務や研修を織り交ぜながら人材を育てていきます。

したがって、入社3年目は土台となる職業スキルを一通り習得し、これから本格的に職場に貢献していく準備ができたタイミングといえます。採用する側の職場にとっては、新人ほどの育成コストが不要かつ今後の活躍期間も長い入社3年目は、費用対効果の高い人材として重宝したい存在です。

3. 入社3年目であればすぐに辞める心配が少ない

入社3年目であれば、「3年間」という一般的に節目とされる勤続年数を概ね満たしています。職場はせっかく採用した人材にすぐに辞められてしまう事態を極力避けたいため、採用時にはすぐに辞めそうな人材でないかを慎重に判断するはずです。

たとえば入社1年目で転職する場合、転職面接を行う職場は「うちの職場でも1年以内に辞められたら困るな・・・」という心配が必ず生じるでしょう。一方、入社3年目であればそういった懸念は入社1年目や2年目よりも少ないため、同じ第二新卒枠のなかでも有利といえます。

社会人3年目で転職する4つのデメリット

さまざまなメリットのある社会人3年目の転職ですが、反対にデメリットはないのでしょうか。以下では、入社して3年目で転職する際のデメリットについて4つ解説します。

1. 忍耐力がないと思われる可能性がある

社会人3年目で転職する場合、応募先の職場によっては、応募者の忍耐力やストレス耐性に懸念を抱くかもしれません。「この人を採用しても、また3年以内に辞められてしまうかもな・・・」と判断されてしまう可能性がある点がデメリットです。

入社1年目や2年目に比べればまだ懸念は少なくなりますが、入社3年目でも応募先の職場次第ではネガティブに捉えられる可能性がある点には注意が必要です。

2. 即戦力でないと判断されがち

入社3年目は、基本的な仕事のスキルは備えているものの、専門性や実績という点ではまだまだこれからという存在です。たとえば看護師3年目の転職の場合、リーダー業務やプリセプターの経験を十分に積めていないことが多いでしょう。

そのため、応募先の職場が即戦力を求めている場合、入社3年目ではミスマッチとなる可能性が高い点がデメリットです。

3. 給料が下がる可能性がある

転職先の業界や職種によっては、現在よりも給料が下がる可能性がある点はデメリットといえます。また、同じ職種でも、職場を変えることで給料が下がる可能性もあります。

たとえば看護師の転職では、看護師4年目から大きく昇給することもめずらしくありません。そのため、新卒とあまり変わらない給料水準の看護師3年目の段階では、転職しても大幅な給料アップを目指すことは容易ではないでしょう。

特に、今の職場が給料水準の高い部類に入っている場合は、転職によって給料ダウンとなる可能性が上がります。

4. 人間関係を1から再構築する必要がある

入社3年目での転職に限ったことではありませんが、転職する場合、職場の人間関係が良くも悪くも一新されます。そのため、新しい職場に入った後、1から人間関係を作り直すことが必要です。

これまでは仕事相手の人柄や特徴がわかっていたことで、スムーズに仕事を進められていた部分もあるでしょう。しかし、転職する場合は仕事相手のことがわからない状態から始まるため、新しい職場でしばらくは試行錯誤を行うことになります。

社会人3年目での転職を成功させるコツ3選

社会人3年目の転職にはメリットもデメリットもあることがわかりました。では、どうすれば社会人3年目での転職を成功させることができるでしょうか。以下で3つのコツを紹介します。

1. 自分の転職理由とキャリアプランを明確にする

まず重要なのが、「自分自身がなぜ転職をしたいのか?」「どのようなキャリアを歩んでいきたいのか?」という点を明確にすることです。転職理由やキャリアプランが定まっていないと、自分の希望に合う転職先を見つけることはできません。

また、軸が不明確だと転職活動を続けていくなかで、「自分は何のために転職活動をしているのだろう?」と迷ってしまうことにもなります。

新卒入社の時に自己分析を行ったように、転職する際もしっかりと自己分析を行いましょう。できれば自分の転職理由やキャリアプランを紙やテキストファイルに書き出し、言語化すると効果的です。

なお、転職したい本音が「夜勤がつらい」「職場の人間関係がストレス」という場合も多いと思います。まずは自分の正直な気持ちを書き出してみてください。最終的に、新しい職場の採用面接で志望理由を伝える際に前向きな理由に変換できていれば良いのです。

2. 応募先の職場をしっかりと分析する

自分のことを十分に把握したら、次は応募先の職場についてもしっかりと分析することが大切です。「自分の転職理由やキャリアプランに合っている職場や業界はどこか?」について、インターネットや書籍などを通じて情報収集をしましょう。

仕事内容や勤務地に加えて、働き方や職場の年齢構成なども把握できると、自分が働く際のイメージがより掴めます。また、可能であれば知り合いなどを介して、実際に応募先の職場で働く人と会話する機会を持つとよいでしょう。

3. 職場を辞める前に次の転職先を決める

できれば現在の職場を退職する前に次の転職先を決めるようにしましょう。なぜなら、職場を辞めてから転職活動を行うと、焦りから納得のいく転職活動ができなくなるおそれがあるからです。

「早く収入を得ないといけないし、ちょっと心配だけどもうこの職場で良いか・・・」と焦って次の転職先を決めた結果、転職先とのミスマッチからまたすぐに辞めることにもなりかねません。

なお、現在の職場をすぐに辞めないといけない健康上の理由などがある場合は、無理をせずに休職などの相談を申し出ることも方法も1つです。

転職に踏み切る際に注意すべきポイント

有利に働くことも多い入社3年目の転職ですが、実際に転職活動を行う際は注意点も存在します。ここでは、転職に踏み切る際に注意すべきポイントを2点解説します。

1. 本当に転職しないと解決しない問題かどうかを考える

転職を検討しているということは、少なからず現状の仕事に不満を感じていることでしょう。誰しも不満は感じるものです。ここで考えるべきことは、「その不満は本当に転職をしないと解決しないことか?」ということです。

たとえば、「職場で苦手な人がいる」「仕事がうまくいかない」と感じて転職を考える場合、その不満の解決方法は転職しかないのでしょうか。おそらく職場内で信頼できる誰かに相談することで、それなりに解決を図ることはできるでしょう。

また、たとえば人間関係での不満を理由に転職をしても、次の転職先の職場にどのような人がいるのかはわかりません。つまり、転職をしても解決しない問題もあるため、転職に踏み切る前に今一度転職理由を冷静に考えることが大切です。

2. 希望がすべて叶う転職は難しいことを理解する

どんな職場でも、希望を100%叶えるのは難しい点を理解することも重要です。仕事内容や給料、勤務地、職場の雰囲気、働き方、福利厚生など、仕事の満足度を決定する要素は多くあります。それらの要素をすべて完璧に満たす職場は存在しないといっても過言ではありません。

数ある要素のなかで、自分にとって優先度の高い項目はなにか?を明確にしましょう。反対に、優先度の高くない項目については、希望が叶わない可能性があることを事前に理解しておくことも大切です。

まとめ

入社後、約3人に1人は3年以内に離職し、特にサービス業や医療・福祉業界、教育業界において離職率が高い傾向があります。

入社3年目は、基本的な仕事のスキルと若さを兼ね備えたバランスの良い時期であり、異業種への挑戦などもしやすいメリットがあります。一方、忍耐力や即戦力の面でネガティブな印象を持たれかねない点や人間関係を1から構築し直す必要がある点はデメリットといえます。

転職を検討する際は、自分の転職理由とキャリアプランを明確にするとともに、応募先の職場をしっかりと分析することが重要です。また、転職先に求める条件の優先順位を事前にはっきりさせておくことで、スムーズに転職活動を行うことができるでしょう。